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人形芝居(3)/高尾滋 [コミックス]

 9月発売の花とゆめコミックスの内、コミック誌で未読の作品になりますが、「人形芝居(3)/高尾滋」を、読み終えました。
 近未来、アンドロイドの人形師、静と嵐が作り出したチャイルドタイプアンドロイドを巡る読みきりシリーズ。
(9話) 少年時代、どんな病気も手をかざすだけで治すという「奇跡の手」を持っていた大和は、その力も失い、稼いだお金も父親に持ち逃げされ、困窮していた。そんな彼に、昔、助けた資産家が、遺産を残しているという話が舞い込み……という展開。既に、壊れかけている子供型のアンドロイド、マリアと宝探しするというエピソードが、微笑ましいですね。辛い境遇にも、昔、助けられたという思いが、心の支えになっていたようで、一途に大和を思い続けていたマリアが健気というか、好感が持てます。壊れてボロボロになりながらも失いたくないと思う記憶を大切にしているアンドロイドのとても切ないストーリーでした。

(10話) 結婚を機に、10年間、共に過ごしたチャイルドタイプアンドロイドの史と、別れる事になった桃香。一方、結婚式が近づくにつれ、寂しげな表情を見せる彼女に、複雑な思いを抱く史だが……。
 人とアンドロイドの恋、切ないですね。恋愛かどうかは別として、10年間も感情を交わした相手と別れるのは辛いものがあると思います。史が毎日綴った10年間の日記というのもポイントかな……。

(11話) 病弱で長く生きられそうにないアーサー。そんな彼を、一途に思い続けている幼なじみのマリーは、彼に、結婚を申し込むが、断られてしまう。お互い、側にいるチャイルドタイプアンドロイドを通して、二人の本心を見極めていくが……。
 アンドロイド絡みの設定では珍しく、普通にドラマチックなラブストーリーが描かれています。愛し合っていても、愛し方の違いですれ違ってしまう切ないエピソードですが、気心知れた幼なじみという事で、ふられても陰から見守っているマリーの言動が、とても可愛く思えます。終盤、彼の本心を知ったマリーが、「命なんか捧げてほしくない…愛がほしいの」と、啖呵を切る姿にも感動しました。



人形芝居 3 (3) (花とゆめCOMICS)

人形芝居 3 (3) (花とゆめCOMICS)

  • 作者: 高尾 滋
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2008/09/19
  • メディア: コミック



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