スイート☆ライン

　ライトノベル「スイート☆ライン」を、読み終えました。高校生の花沢正午は、アニメプロデューサーの仕事をしている姉と、二人暮らしだが、ある日、そんな姉が担当している新人声優が、隣に越してきた。新島永遠という天才声優としての潜在能力を持ちながら、極度の男性恐怖症が原因で、その仕事が絶たれる寸前だと言う。姉の頼みで、彼女の男性恐怖症を治す手助けをする事になった正午だが……。



　野生の小動物という例えが、ぴったりの新島永遠……。可愛いですね。なかなか手強そうですが、手懐ける事ができれば、一途な思いが手に入るわけですし、同居というのもラブコメとしては、ポイント高いと思います。ストーリーとしては、舞台設定とキャラクターの設定で、半分以上のページを費やしていますし、テンポは遅いようにも思えますが、それだけ丁寧に描かれた設定は、少しも矛盾のない完璧なものですし、何よりも、コミカルな小ネタが満載で、楽しめました。
　主人公の正午については、熱血漢で、一度、引き受けた事は、意地でも成功させるという真面目なタイプですね。兄妹を演じて、同居すると言い出した時は、不安を感じましたが、本当に、兄妹という設定を貫いたあたり、根っからのいい人という感じで、ブレがないのも格好いいところだと思います。他にも、関連した二人の人気声優が登場しますが、その内の一人、神楽坂はるかに、急接近の兆しがあり、今後の展開が気になります。今回のエピソードは、タイムリミットの２週間という期限付きでしたので、結局のところ、期待したような恋愛要素には程遠い展開でした。「序章」というと極端かも知れませんが、そんな感じです。特に、エピローグを読むと、意味深な要素が多く、続きが気になって仕方ありませんね。

スイート☆ライン (電撃文庫)

• 作者: 有沢 まみず
• 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
• 発売日: 2009/05/10
• メディア: 文庫

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