Ｒ－１５ 裏切り者のさようなら

　ライトノベル「Ｒ－１５　裏切り者のさようなら」を、読みました。常識では考えられない校訓を掲げ、様々なジャンルの天才が集められている閃学園。ポルノ小説の才能を持つ丈途は、そんな学園でも悪目立ちしていたが、学園のアイドル的存在の謡江や人見知りの激しい孤高のクラリネット奏者、吹音など、数少ない友人と親密な関係を築いていた。そんなある日、シナリオの才能を持ち、映画研究会の部長というクロト先輩が、映画のヒロイン役として、吹音を勧誘してきた。一方、校長直々に、ある相談を持ちかけられた丈途は、無秩序が売りの学園に危機が迫っていると知り、エージェントとして秘密裏に、反勢力と対決する事になるが……。

　シリーズ４作目になります。前回のＲＰＧイベントで、吹音とかなり親密になった感じですが、計画の失敗で、開き直った謡江も負けていませんね。悪役に転じたようにも思えましたが、恋愛に手段は選ばないというのが本心のようで、一途さ、健気さはもちろん、丈途の事を理解した上で、親身になって尽くしている姿を見ると、応援したくなります。
　今回は、クロトという新たな策略家を敵に回し、窮地に追い込まれるという展開……。学園全体を巻き込む規模の騒動ですし、違和感はありましたが、黒幕の存在というか、オチには、最後まで気付きませんでした。とりあえず、ストーリーの面白さというよりは、個性の強いキャラクターに魅力を感じる作品ですし、そう言った意味では、新たに参入したマッドサイエンティストを目指す無邪気な女の子、創が、全く恋愛に絡んでいなかったのは、ちょっと残念に思います。

R-15 裏切り者のさようなら (角川スニーカー文庫)

• 作者: 伏見 ひろゆき
• 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
• 発売日: 2010/06/01
• メディア: 文庫

◆既刊のレビーは、各リンク先のレビューを参照して下さい。

　・Ｒ－１５　ようこそ天才学園へ！　http://nao-chan.blog.so-net.ne.jp/2010-01-10
　・Ｒ－１５　こんにちは、ぼくの初恋　http://nao-chan.blog.so-net.ne.jp/2010-01-18
　・Ｒ－１５　初めまして三角関係！　http://nao-chan.blog.so-net.ne.jp/2010-01-27

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