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さくら荘のペットな彼女 [ライトノベル]

 ライトノベル「さくら荘のペットな彼女」を、読みました。芸術大学付属高校の普通科に通う何の取り柄もない凡人の神田空太は、変に面倒見の良い性格が災いし、拾った猫の処遇が切っ掛けで、「さくら荘」という問題のある生徒が集められた寮に入れられる。そこは、噂でも有名な変人たちの巣窟で、苦労の絶えない毎日を過ごしていたが、ある日、寮監の美術教師に頼まれ、新たに入寮する椎名ましろという編入生の面倒を見ることになった。世界的にも有名な画家らしく、一目惚れしてしまうような美人の帰国子女に動揺する空太だが、翌日には、その変人ぶりに、頭を抱えることになる。芸術家の家系に生まれた彼女は、絵の英才教育しか受けていないようで、一般常識が大きく欠落していた。用意してやらなければ、服も一人で着られない程の重症で、完全に介助が必要なレベルだった。編入の目的は、漫画家になる事らしく、毎日、徹夜で漫画作りに没頭している様子だが……。

 美人だけど、無口で無表情。裸を晒しても平然としているような椎名ましろの個性が、強烈すぎて、驚かされました。そんな彼女の身の回りの世話はもちろん、漫画家の方も、致命的と言える経験不足を補うため、体を張った手伝いをする空太の苦労が痛い程、伝わってきます。他の住人も、性格には色々と問題ありそうですが、家事なんかは、空太よりも要領がいいようですし、何よりも桁違いの才能を持っていますね。特に、空太の部屋に入り浸りでゲームをしている美咲という先輩は、ほとんど、一人で商業アニメを制作してしまう程の才能を持っていて、実際、売り出されたアニメDVDは大ヒットしたという実績もあるようですし……。
 ストーリー展開としては、空太と行動を共にする事で、ましろの微妙な心情変化が見どころでしょうか……。無表情で、素っ気ない会話でも、予想できない言動に目が離せませんし、ちょっとした仕草が可愛く思えるヒロインですね。恋心には、まだ遠いような気もしますが、少し恥じらいを見せるようになったり、空太を意識するようになってきて、魅力的なシーンが、少しずつ増えてきました。今後の展開が楽しみな作品です。



さくら荘のペットな彼女 (電撃文庫)

さくら荘のペットな彼女 (電撃文庫)

  • 作者: 鴨志田 一
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2010/01/10
  • メディア: 文庫



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