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花×華 [ライトノベル]

 ライトノベル「花×華」を、読みました。美桜町という山と海に挟まれた自然豊かな街に住む高校生の園端夕は、有名な映画監督だった亡き父を目指し、彼が創設したという伝統のある映像研に所属していたが、かつての活気は失われ、幼なじみの先輩と二人だけで、細々と活動する毎日……。撮影も各部活動などの記録係が主で、部活動としての存在が危ぶまれていた。そんなある日、夕の元に、一通のラブレターが届く。それは、心を動かされるには十分の完璧な文面で、差出人は、「はな」とだけ書かれていた。その手紙により、観光名所にもなっている展望台に呼び出された夕は、そこで、東雲華という同級生と会う。大企業の社長令嬢という彼女は、小柄な容姿の美人で、学園でもアイドル的存在。演劇部のヒロインとしても有名な彼女が、なぜ……と、困惑する夕に対し、更にもう一人、成宮花という明るく元気な体育会系の同級生が割って入ってきた。美人の同級生、二人から、ラブレターの差出人は、自分だと告白され、わけが分からないまま、競うようにアプローチを仕掛けてくる花と華に、夕は……。

 三角関係のラブコメだと思い、気軽に読み始めた作品ですが、なかなか熱く、夢に向けて奮闘する展開や、過去の因縁というシリアスな要素など、青春という言葉が相応しい減り張りの効いたストーリーでした。夕が二人と知り合う切っ掛けになったラブレターも、なぜ、差出人の名前が紛らわしい「はな」と、ひらがなにしたのだろうかという疑問が、終盤まで尾を引いていましたが、花と華の関係は、想像以上に、シビアなもので、目に熱いものを感じながら、いつの間にか、夢中になって読んでいました。夕の夢と、花と華の暗い過去がシンクロして、強い絆として、三人の関係を深めているような感じです。
 もちろん、ラブストーリーとしてもハイテンションで、花と華、どちらとも、夕への思いは膨らむ一方ですし、お互い、一歩も引くつもりもなく、取っ組み合いのケンカをしながら、隙あれば、出し抜こうとする一面もあります。重い展開が薄れてきた続刊では、恋愛要素は、更に過激になりそうですし、とても期待しています。


花×華 (電撃文庫)

花×華 (電撃文庫)

  • 作者: 岩田 洋季
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



花×華〈2〉 (電撃文庫)

花×華〈2〉 (電撃文庫)

  • 作者: 岩田 洋季
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 文庫



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