ライトノベル「マリア様がみてる ハローグッバイ」を、読みました。祐巳、祥子編のシリーズ最終話。いよいよ、祥子と令の卒業式が、始まった。形式張った卒業式というのは、意外と暇なもので、色々と過去を振り返る令は、山百合会に入った時の事を思い出していた。祥子に対する印象や名前を呼び捨てで呼び合うようになった切っ掛けなど、他愛のない事を考えていたが、そんな中、過去に例のない送辞が始まり、そして、ちょっとしたアクシデントに見舞われる……。
 一方、由乃の誘いを受け、卒業式を見に来た聖は、蓉子や江利子と合流し、久しぶりに三人揃って、聖が過去に仕掛けた悪戯話で盛り上がっていた……。
 あとがきで、設定を変えた続編があるような事をほのめかしていますが、マリア様がみてるシリーズの本編としては、完結したようです。ちょっとしたアクシデントはあったものの卒業式も無事終わり、見どころとしては、由乃がやり残していた問題でしょうか……。いまいち何を考えているかわからなかった菜々との決着ですが、ドタバタ劇を演じながらも丸く収まったようで、ホットしました。贅沢を言うと、挿絵が欲しかったと思います。
 こうなると、本当に終わってしまうのかな~という切ない思いで、いっぱいですが、このシリーズ振り返って、一番変わったのは、祥子かも知れませんね。丸くなったというか、人との接し方が穏やかになったように思います。祐巳との絆も深まり、卒業してお別れというわけでもなさそうですし、この二人に関しては、安心して見ていられそうです。好きなキャラクターとしては、やはり、聖かな……。辛い別れを経験しているだけに、人の痛みには敏感なようで、要所で活躍していましたよね。あと、後半、ツンデレな性格が見られた瞳子とか、友人の事を心から考えられる乃梨子にも魅力を感じました。






マリア様がみてるハローグッバイ (コバルト文庫 こ 7-60)

  • 作者: 今野 緒雪
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/12/26
  • メディア: 文庫