ライトノベル「まよチキ!3」を、読みました。学園祭を間近に控えたある日、登校途中に、原付バイクにはねられ、運転していた同級生、宇佐美マサムネと知り合った近次郎だが、妙な誤解でケンカになり、事故では軽傷だったものの彼女の鋭い蹴りを受け、意識を失ってしまう。目覚めると、保健室にいた近次郎は、通りかかったスバルに助けられたらしく、心配する彼女に事情を説明する。スバルとは、前回の騒動で、友達としての関係も親密になり、学園祭も一緒に過ごす事になった。しかし、待ち伏せしていた様子のマサムネと再会した近次郎は、彼女が、スバルのファンクラブの一員で、以前、スバルとデートした現場を写真に撮られていた。それをネタに脅迫され、ある目的で、しばらくの間、彼女の恋人役を演じさせられる事になり……。

 新たに参入した宇佐美マサムネは、自他共に認める歪んだ性格で、孤独を感じさせる存在。スバルのファンクラブの一員で、妹と同じ格闘技の部活動にも所属する猛者。ワイルド系の美人タイプ……と、言ったところでしょうか。学園祭を舞台に、ファンクラブの抗争に、近次郎が巻き込まれるという展開ですが、当初の見どころとしては、スバルのヤキモチですね。真っ直ぐな性格ですが、意外に強情で、負けず嫌いという個性が、可愛さを増幅させ、魅力を引き立てています。終盤は、マサムネの素性と、悩みが絡んだシリアス展開ですが、いずれにしても、厄介事をまた一つ増やしてしまった近次郎は、前途多難と言ったところですね。



まよチキ! 3 (MF文庫J)

  • 作者: あさのハジメ
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: 文庫