ライトノベル「まよチキ!5」を、読みました。奏との駆け落ち騒動から二週間が過ぎ、夏休みも残すところ5日……。うんざりしながらも、学校の課外授業に出席していた近次郎は、隣で退屈そうにしている奏に話しかけられ、色々とツッコミを入れながら会話を続けていたが、そんな彼女に、突如、異変が……。
 翌日、残り少ない夏休みをのんびり過ごそうと決めた矢先、早朝から、異常にテンションの高い妹、紅羽にまとわりつかれ、そのまた翌日には、突然、訪ねてきたナクルと、成り行きで、デートする事になる。その後も、マサムネ、スバルと、結局、日替わりで、違う女の子と過ごすというハードな夏休み終盤を過ごした近次郎だが……。

 女性恐怖症という壁は、未だ乗り越えられず、ちょっと変わり者の女の子に好かれる才能でもあるような近次郎の苦難が続いています。今回は、夏休み編のラストという事で、プロローグとエピローグを除き、主要の女の子5人と過ごすサービス回というか、短編集のような感じのエピソードですね。基本的に、近次郎がツッコミ役の会話シーンが大半を占め、進展が見られないストーリーには、多少、物足りなさを感じますが、キャラクターの魅力という点では、かなり楽しめました。強いて言えば、プロローグとエピローグに、今後の展開を左右しそうな奏とスバルの本心が描かれていて、切なさを感じます。ただ、ラブストーリーとしては、客観的な視点という事もあり、それ程、劇的な展開は期待できないかも知れませんね。



まよチキ!5 (MF文庫J)

  • 作者: あさのハジメ
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/10/21
  • メディア: 文庫