ライトノベル「変態王子と笑わない猫。3」を、読みました。つくしと月子の姉妹、そして、筒隠家を守る猫神の影響力を痛感した夏休み後半、波乱の日常を切り抜け、何とか新学期を迎えた陽人は、月子はもちろん、色々な誤解の末、つくしとも親密な関係になり、困惑していた。そんなある朝、月子と一緒に通学途中、陽人は、ツインテールで明るく元気な小学生の女の子に、激しく抱きつかれる。「おにいちゃん」と呼ばれ、慕われるが、通称、エミと呼ばれている外国人で、友人のポン太の妹である事を思い出す。何か、違和感を抱えながらも、学校では、体育祭が間近に迫り慌ただしくなっていた。そして、違和感は、学園自体と、その生活の変貌という形で具現化して……。

 恋人というか、正妻のオーラさえ見え隠れする月子に、すっかり尻に敷かれている陽人ですが、恋愛に疎い彼は、その事に全く気付いていないようですね。さすがと言うか、進行するハーレム化の要因になっているのは間違い無さそうです。今回は、ミステリアスなエミの裏で、更に暗躍する影の存在……。見どころとしては、猫神が会話のできるスキルを身につけた事と、その要因、そして、願えさえすれば何でもありの奇想天外な展開もありと言う事、またキャンセル可能で、後始末が簡単という便利な設定もポイントかな……。予想外のオチが付いたのには、さすがに驚かされましたが……。
 キャラクターの魅力としては、性悪うさぎと言った雰囲気のエミや、ライオンのような迫力を持つつくしの参入などで、月子の魅力が倍増していますね。何があっても、陽人に協力し、関わろうとする月子が、とても健気に思えてきます。あと、月子の全裸シーンもお約束な展開になりつつありますね。1巻に1回で、早くも3回目……。色気がないのが、残念なところですけど……。影の薄かった梓も、最後に逆転ホームランと言える衝撃的なエピソードもありましたし、複雑になってきた人間関係を含め、目の離せない展開が続きますね。



変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)

  • 作者: さがら 総
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/05/25
  • メディア: 文庫