ライトノベル「これはゾンビですか?10」を、読みました。成り行きで、ヴィリエの女王、リリア・リリスを怒らせてしまった歩は、死よりも過酷と言われる呪いをかけられてしまった。それは、みんなの記憶から自分の事が消去され、しかも、新たに知り合った相手とも一定の距離を数分間離れると、すべて忘れられてしまうと言う厄介なもので、深い孤独を味わうことになる。しかし、なぜか、ハルナだけは、呪いの影響を受けず、事情を理解し、協力的な彼女のおかげで、解決の糸口を見付けることができた。そして、ハルナの計画通り、リリアを呼び寄せる事に成功し、新たに出来たレジャー施設等へ連れて行ったりする「接待」により、呪いを解く手掛かりを得ようとするが……。

 究極の孤独という状況に、八方塞がりと思えた歩ですが、やはり、本命と言えそうなハルナの活躍が際立っていたと思います。歩に惹かれながら、素直になれなかったハルナにとって、好都合な条件だったようにも思えますが、歩のために、一生懸命、呪いを解く手助けをする姿が健気ですよね。リセットを防止する為、ユーと、セラの密着度も増し、特に、恋人と勘違いするセラの変貌ぶりには驚かされましたが、ポイントは高いと思います。出会い方が違えば、リリアにも好感を持たれる歩の優しさも、もてる理由として、納得できる部分があります。ただ、リリアに関しては、容姿に反し、かなりの交戦好きというか、実力で女王に君臨しているだけの事はあり、黒い部分も見受けられますね。記憶喪失の呪いが、リリアにも及んでいたのかは疑問ですが、歩の言動は、リリア攻略の的を射ていたようにも思えますし、再び呪いをかけるような事はないと思いますが……。とりあえず、今回は、結末のエピソードを含めハルナの最大級に可愛い姿を見られたのが、一番の収穫と言えるかも知れません。


これはゾンビですか?10はい、ラブリーでチャーミングだけどあたしは (富士見ファンタジア文庫)

  • 作者: 木村 心一
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2012/05/19
  • メディア: 文庫



これはゾンビですか?10 DVD付限定版 はい、ラブリーでチャーミングだけどあたしは (単行本)

  • 作者: 木村 心一
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2012/04/25
  • メディア: 単行本