SSブログ

とらドラ8! [ライトノベル]

 ライトノベル「とらドラ8!」(8巻)を、読み終えました。クリスマスイブには、実乃梨にふられ、年末年始は、インフルエンザで入院という最悪の冬休みだった竜児……。家に入り浸りだった大河も自立宣言をして、ここしばらく、まともに顔を合わせていなかった。新学期が明日に迫り、錯乱した竜児は、素っ気ない態度の大河に怒りを覚え、窓越しに、八つ当たりする始末……。
 前回の7巻で、大河の本心が露呈し、それを、実乃梨に見られてしまうという経緯もあり、何も知らない竜児がふられたのも当然と言えそうです。いい子バージョンの大河は、自分の本心を押し殺している結果として、副作用的なものだと思いますが、今回は、自立という名目で、距離をとりながら、積極的に竜児と実乃梨の関係を応援するなど、彼女らしくない言動に、磨きがかかっています。
 そんな微妙な関係の中、舞台は、修学旅行へと移っていき、班分けで、竜児、祐作、大河、実乃梨、亜美という関係者が揃い踏みします。このメンバーで、人間関係を客観的に見て、すべてを把握している亜美が、キーとなり、それぞれが隠し持った感情が、歪みながら一気にぶつかり合って行くという凄まじい展開へと発展……。
 罪悪感という思いを背景に、亜美が執拗に実乃梨に絡む訳も、理解できるようになってきましたし、大ケガしたのが竜児だけではないという意味も重なり、もしかすると、亜美も傍観者に成り下がったのではなく、本気で参戦していて、彼女の言うところの罪悪感や大ケガに苦しんでいるという見方もできます。
 全体的に、暗くて重いシリアスな展開が目立ち、切ない思いでいっぱいになりますが、ラブコメと銘打っているだけあり、爆笑してしまったシーンも、二ヶ所以上ありました。P180とか、P228なんか、最高です。
 色々ありましたが、やはり、今回の最大の見どころは、大河の本音を、竜児が知ってしまった事かも知れません。実乃梨への一途な思いが嘘とは言いませんが、近すぎて見えない相手というのも、改めて認識する必要がありそうですね。ここが正念場と言えそうな竜児の本心が気になるところです。




とらドラ 8 (8) (電撃文庫 た 20-11)

とらドラ 8 (8) (電撃文庫 た 20-11)

  • 作者: 竹宮 ゆゆこ
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/08/10
  • メディア: 文庫



nice!(9)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1