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銀色ふわり [ライトノベル]

 ライトノベル「銀色ふわり」(有沢まみず)を、読みました。今月の新刊で、表紙の絵と、帯に書かれた「互いに孤独を秘めた少年と少女のせつなくて温かい物語。」という言葉に引かれて、久々の衝動買い。新作のライトノベルは、久しぶりですが、約5時間で、一気に読んでしまいました。
 高校生の春道は、幼い頃、母親に捨てられ、父親は目の前で自殺という不幸な境遇で、親類の家で育てられた。一人暮らしを始めて、愛想笑いも板に付き、それなりに人付き合いも上手くなっていたが、度々、悪夢にうなされ、拭いきれない孤独感に襲われていた。そんなある日、街中で、銀髪の美少女と運命的な出逢いを果たす。特殊機関で管理されている黄昏の子供たちと呼ばれる新人類の一人で、イエスタデーという名前の彼女は、肉眼では見る事が出来ないという。彼女たちも、また、仲間を含め生きている者すべてが見えないといい、交流の手立ては、ビデオ映像や特殊な眼鏡機器に頼るしかなかった。突然変異としか言いようのない彼女たちは、生まれた時からビデオにしか写らない体質で、原因は不明……。そんな彼女を肉眼で見る事ができ、声を聞く事も触れる事もできる唯一の人間として、彼女との交流を頼まれた春道だか……というストーリー。
 幽霊の設定に似ていますが、存在が確かで、すりぬける事もなく、他の人にも何かがあるという無意識な判断から、ぶつかったりする事もないようで、服など、身につけたものも同様の状態になるようです。認識できないだけという点で、大きな違いがありますね。成り行きで、彼女と同居する事になった春道は、自分自身と重ねながら、悲観的な彼女の真意、運命に触れ、深い絆で結ばれていく過程が、とても切なく描かれています。イエスタデーという女の子は、春道に、銀花と名付けられ、小学生か中学生くらいの年齢かな。恋愛対象としては、微妙なところですが、やはり、同居生活での初々しさが見どころですね。普通に恥じらいのある言動に魅力を感じますし、すべてをさらけ出した後の執着ぶりは、究極のラブストーリーに匹敵するかも……。
 一応、完結したようにも思えますが、明かされた設定で、運動能力とか、生かされていないものもありますし、あとがきで続編があるような事をほのめかしていますので、ラブラブ状態の続編が見られるかも……。でも、その先にあるのは、悲劇ですし、見たいような見たくないような複雑な心境です。



銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)

銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)

  • 作者: 有沢 まみず
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/07/10
  • メディア: 文庫



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