SSブログ

レンタル・フルムーン [ライトノベル]

 ライトノベル「レンタル・フルムーン」を、読みました。桐島新太は、様々な失敗談を教訓に、平穏な毎日を過ごすことを心がけている読書好きの平凡な高校生だが、小学生の頃に経験した生死を彷徨う事故により、白い霧状の不思議なものが見えるようになっていた。それが何なのかは、わからないまま、関わりを避けてきた彼だが、ある日、駅前の路地裏で偶然見つけた貸本屋「満月堂」の店員で、学校の後輩でもある満月ツクモとの出会いによって、事態は急変する。
 ツクモの話によると、この世界は、神様が創造した不完全なもので、白い霧は、誰からも忘れられ、存在を失ったもの……パンドラというものだと言う。彼女は、神様から任された、パンドラを、本に収める「観測者」であり、それが無くなった時、この世界は消滅させられるらしいが、半信半疑のまま、成り行きで、彼女と契約を結んだ新太は……。

 独特の世界観を持った作品ですが、現実を大きく揺るがす程でもなく、ちょっとしたトラブルを、1つ1つ片付けて行くという案外地味なストーリーです。観測者のツクモも、年季の入った文学少女というのが表の顔で、パンドラ集めは、母親の後を継いだ貸本屋を守るために、仕方なくやっているような感じですね。プライドが高く、物事に動じない傍若無人な性格ですが、惚れた弱みで、半人前の彼女をサポートする新太の受難は、まだまだ続きそうです。
 キャラクターは、ツクモの事が好きで、ストーカーっぽい事までしている宮野小雪や、健気にツクモの身の回りの世話している聖獣、クルン……。そして、神様のラクアは、貧乏な会社員のようなお姉さんタイプで、大勢いる神様の下っ端らしく、実に情けない人間味のある言動が目立ちます。
 ストーリー展開は、新太が異変を見つけ、時には、実戦担当をしながら、クルンを対象物にぶつける事で、ツクモがパンドラを回収して解決……といったパターンです。簡単そうですが、不器用なツクモに振り回され、いつもヘトヘトになっている様子。ちなみに、ツクモと小雪は、全校でも噂の美少女で、そんな二人が、新太と関わっている事も、平穏な日常を遠ざけている要因になっている事は、言うまでもありませんね。



レンタル・フルムーン〈第1訓〉恋愛は読みものです (電撃文庫)

レンタル・フルムーン〈第1訓〉恋愛は読みものです (電撃文庫)

  • 作者: 瀬那 和章
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: 文庫



nice!(26)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 26

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0