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“文学少女”と死にたがりの道化 [ライトノベル]

 ライトノベル「“文学少女”と死にたがりの道化」を、読みました。高校生の心葉は、中学生の頃、興味本位で投稿した小説が大ブレイクし、メディアミックス化に加え、100万部を越えるベストセラー作家として躍り出た。しかし、ペンネームに使ったミウという名前のせいもあり、男でありながら美少女覆面作家として売り出されてしまった為、環境の変化による心労で、精神を煩い、1作で引退という暗い過去を背負っていた。高校では、地味に、平穏な生活を過ごそうとした彼だが、自称、文学少女と言う先輩、天野遠子と、奇妙な出会いを果たし、強制的に文芸部に入部させられる。彼女は、本や紙に書かれた文章にしか味覚を感じないという特種な体質で、それらを食べて、味覚を楽しんでいた。そんな遠子と二人だけで活動している文芸部だが、ある日、竹田千愛という下級生から、ラブレターの代筆をして欲しいという依頼が舞い込む。遠子の妙な宣伝によるものらしいが、協力することにした二人は、不可解な事件に巻き込まれて……。
 太宰治の「人間失格」のエピソードをベースに、心が病んだ人達の騒動に巻き込まれて行くという展開ですが、まず、驚いたのが、気に入った本などを破って食べてしまうという遠子の基本設定ですね。普通の食べ物には、全く味を感じられないという彼女が、唯一、味わえるものらしいのですが、紙を食べている姿って、想像しがたいですし……。ストーリーとしては、10年前の事件の真相究明と、千愛というミステリアスな少女の真意が重なって行く奥の深い展開です。ジャンルとしては、ミステリーかな……。心葉のクラスメートで、ツンデレ風の琴吹ななせの動向によっては、ラブコメもありそうな感じですが、今回は、必死に、話す切っ掛けを作ろうと、絡んでくる言動が、あからさまで、可愛く思えました。でも、肝心の心葉は、嫌われていると認識していますので、進展も見られず、ちょっと可哀想かも……。



“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

  • 作者: 野村 美月
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2006/04/28
  • メディア: 文庫



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