花とゆめ ７号

　３月５日発売。好みの作品は、４本ありました。

●今日も明日も。／絵夢羅
　連載３話。　漫画の資料に、学校の写真が必要になった稜は、取材を兼ねて、ちかの学校を訪ねた。気の合うもの同士で、グループに分かれている中、微妙な交友関係を築いているちかの立場が浮き彫りになって行くエピソード。
　漫画の描き方講座と言えそうな要素を交えつつ、ちかの魅力を引き出しているような展開ですね。先入観を持たず、自分の目で善し悪しを判断し、良好な人間関係を築いて行くという理想的なエピソードに、好感が持てます。

●星は歌う／高屋奈月
　連載15話。　サクヤの義母が姿を見せた事で、サクヤの心に負った傷、暗い過去が明かされました。劣悪な家庭環境で、居場所を失った彼女の悲痛の叫びが、心に響きました。また、サクヤを誰かと重ねているような千広の過去も見え隠れしていますし、二人の関係を含め、今後の展開が気になりますね。

●神様はじめました／鈴木ジュリエッタ
　連載２話。　土地神のミカゲに、不思議な力を与えられ、古い神社の土地神にされてしまった奈々生だが、それまで、土地神不在の神社を守ってきた狐の神使、巴衛とケンカしてしまう。神社を出て行った彼を連れ戻す為、自分が出て行こうとするが……という展開。
　奈々生の言動に、好感が持てます。不幸な境遇ではありますが、次々と厄介な事に巻き込まれ、不幸に浸ってる暇もない程、慌ただしい展開……。そんな様子がコミカルに描かれている分、楽しめますね。

●ＮＧライフ／草凪みずほ
　連載31話。　美依と二人だけで、遊園地に来ていた敬大は、それなりに楽しんでいたが、美依の意外な言動で、動揺する……というラブストーリーのシチュエーションですが、とにかく、美依が可愛いですね。押さえきれない思いを抱えながら、関係が壊れる事を恐れ、茶化しながら必死に明るく振る舞う姿が、とても切ないです。敬大は、嘘をつけない誠実な性格で、融通がきかないところもありますが、その分、言葉には重みがありますね。今回は、敬大が、どう見てもプロポーズのようなセリフを吐いてしまった事で、美依が少し報われた感じがします。幸せ…と言いかけた彼女の表情に、最大級の魅力を感じました。

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