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とらドラ10! [ライトノベル]

 ライトノベル「とらドラ10!」を、読み終えました。最終話です。進路の事が発端となり、初めて母親の泰子に反抗した竜児は、不用意な言葉で、彼女を傷つけてしまう。また、一緒に探しに来た大河の母親は、嫌がる大河を、実家につれて帰ろうとしていた。そんな状況で、どうしようもなくなった竜児は、気が付くと、大河を連れて逃げていた。逃げずにはいられないという一心で、走っていた二人は、大橋を渡って、隣町へ行こうとするが、お金を持っていない事に気付く。大橋の上で、途方に暮れる二人だが、不意に、大河が家庭の事情を話し始めた。父親が破産して、マンションに居られなくなった事や、実母に引き取られる事になった理由を淡々と語っていた。そして、「なんで、あんたは、私のそばにいてくれるんだろ……」という問いに対して、竜児は、ずっと考えていた事の結論に達した。大河の事が好きだという単純な思いを自覚して、次の瞬間には、強く抱きしめ、キスをしていた……。
 感動しました。泣けました。そして、笑えました……。序盤に、大橋の上、そして、大河のドジで、川に落ちながらも告白、プロポーズの言葉を連ねる竜児の言動に感動しました。
 事情を知った亜美、実乃梨、祐作が、バレンタインの夜の寒い中、探し回ってくれて、竜児と大河の逃亡計画にも協力してくれるという友人がいるのも幸せな事ですね。
 亜美の家で、計画を立てる中、みんなの前で、大河の好きと言う気持ちを語るシーンも、心に響きました。優しさとかの理屈ではなくて、ただ、その人の事を、ずーっと見ていたい、覚えていたいという思いを感じながらも、見てはいけない理由に苦しめられていたと言う。今での経験から、自分が望んだものは、壊れてしまうと思い込んでいた事も、孤独を感じさせられる要素で、とても切ないです。
 中盤からは、竜児の家庭の事情が、掘り下げられて行きますが、泰子の両親の家を舞台に、泰子の母親としての本心が明かされたシーンも、泣けて来ました。そこで一夜を過ごした竜児と大河の会話も重みがありますね。お互いに、離れても大丈夫と、強い絆を確認しあって、いい雰囲気を抑えようと、必死な竜児に対して、「私が本当にそれを越えようと思ったら。私がそう決めたら。……あんたが泣いても叫んでも逃げられないけどね」と言うセリフにもドキッとさせられました。
 結局、どんな事があっても、大河は強いという事ですね。竜児の存在は、強さの原動力とでも言うべきでしょうか……。最終話という事で、色々ありましたが、文句の付けようがない程、斬新で、面白いラブコメ作品だったと思います。



◇前作のレビュー記事リスト

 ◆ライトノベル 「とらドラ9!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ8!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ7!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ6!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ5!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ4!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ3!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ2!」
 ◆ライトノベル 「とらドラ!」



とらドラ〈10!〉 (電撃文庫)

とらドラ〈10!〉 (電撃文庫)

  • 作者: 竹宮 ゆゆこ
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫



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コメント 3

tamapu-

私も読みました。

最後の方、亜美が泣きながら言った言葉が心に残りました。
やっと言えた、泣きながら言った本音。

すごい作品でしたね。よかった、よかった!
by tamapu- (2009-03-09 18:40) 

Gomarz

今、読んでる最中です!今82p
なんか全部読み終えちゃうのがMOTTAINAIっ
by Gomarz (2009-03-09 19:09) 

「直chan」

tamapu-さん>
 コメントありがとうございます。
 最後、どうなるかと思いましたが、予想以上にドラマチックな展開でしたし、何よりもハッピーエンドで、良かったですね。

Gomarzさん>
 コメントありがとうございます。
 約3年間、一番楽しみにしていたライトノベルですので、終わってしまうと、寂しくなりますね。スピンオフ作品は、まだ未読ですし、もう一冊くらい番外編がでるようですので、次回作を含め、期待したいところです。
by 「直chan」 (2009-03-11 01:58) 

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