レンタル・フルムーン２

　ライトノベル「レンタル・フルムーン２」を、読みました。惚れた弱み……。そんな思いを抱きながら傍若無人な観測者、ツクモの仕事を手伝っている新太だが、このところパンドラが全く見つからないという状態が続いていた。そんな中、偶然の出来事が重なり、早川鈴音という少女と知り合う。趣味が合い、同士として、仲良くなった新太だが、更に、そんな彼女が、転入生として現れ……。

　ツクモにライバル出現……。それは、一つの世界に一人という観測者の定義を揺るがすものであり、また、新太との微妙な関係を、大きく揺さぶるものでした。そんな訳で、今回は、ジェラシーとも言えそうなツクモの言動が、見どころかな……。基本的に、無表情で、物事に動じないツクモが、新太によって、引っかき回されている様子は、なかなか見応えあります。
　一応、小雪の真意を描いたエピソードで、新太がもてるタイプではないというのは、はっきりしましたが、鈴音の接近は、もしかして……と思わせるには十分のベタなラブコメというシチュエーションですし、一概に、誤解した新太を責められませんね。かなり空しい誤解ですけど……。
　具体的なストーリーとしては、縁日を舞台にしたコミカルなエピソードと、小雪の強い願いが絡んだ恋愛騒動……。そして、黒幕のに存在が気になる異世界人の顕現など、恋愛要素が絡むと、教訓を生かせない新太の苦労が伺える展開でした。
　全体的に、新太とツクモの関係も深まったように思いますし、クルンも相変わらず健気で可愛い存在です。各話のまとめてして入る「クルン日記」も、わかりづらいツクモの真意が見えて、結構、ポイント高いですね。

レンタル・フルムーン〈2〉第二訓 良い関係は良い距離感から (電撃文庫)

• 作者: 瀬那 和章
• 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
• 発売日: 2009/12
• メディア: 文庫

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