俺の妹がこんなに可愛いわけがない（５）

　ライトノベル「俺の妹がこんなに可愛いわけがない（５）」を、読みました。突然、一人で留学を決めて、アメリカへと旅立ってしまった桐乃の行動に、京介は、激しく動揺し、寂しさを痛感する。そんな中、新学期に入り、黒猫が同じ高校に入学してきた。五更瑠璃という本名を知るが、学校でも相変わらずの性格で、結果的に、クラスで孤立している姿を目の当たりにした京介は、何かと世話を焼くが……。



　今回は、大半が京介と黒猫のエピソードでしたが、そんな二人に関わってきた新キャラも、かなり個性的で、楽しめました。ゲームの深夜販売のエピソードも伏線になっていたようですね。黒猫については、孤立するのは予想の範囲内ですし、恐らく、中学生の頃と大差ないと思います。本人が言うように、それ程、気にしていないのかも知れませんが、やはり、校舎裏で、一人で弁当を食べている姿を見たり、一人で掃除している姿を見てしまうと、気になりますね。京介も、妹に散々振り回された事で、問題解決の方法というか、経験値を上げたようで、黒猫のようなタイプでも、心を動かしてしまうあたり、さすがです。ただ、妹と言う歯止めがありませんので、桐乃と同じように、親身になりすぎると、別の感情が生まれそうですね。もしかすると、既に、恋心が膨らんでいるかも知れませんが……。
　そして、終盤、出番が無いのでは……と思えた桐乃から、信じられないメールを受け取った京介ですが、意外な展開に驚きました。留学して、みんなと連絡を絶った理由とか、遠回しなＳＯＳで、留学を終えた桐乃には、理解できない面がいくつかあります。特に、陸上にこだわる理由とか……。以前、京介との昔話に、なんとなくヒントがありそうな気がしますが……。あと、ゲームシーンのりんこルートにも桐乃の真意が隠されているようで、気になりますね。
　全体的に、寂しげな展開の多かったストーリーですが、次回は、コメディ要素が満載という事なので、楽しみですね。桐乃も加わって、黒猫の恋の行方なんかも期待しています。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)

• 作者: 伏見 つかさ
• 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
• 発売日: 2010/01/10
• メディア: 文庫

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